蜜色オフィス
「宮坂が沖田さんの邪魔してるのなんて見た事ないし、むしろ逆です。
沖田さんのいい加減な仕事態度のせいでダメになった契約を取り直してるのは、ほとんど宮坂です。
たくさん助けてもらってるのに、ただ気に入らないなんて……、子どものするイジメみた―――……」
パン、て乾いた音と同時に、視界がぶれた。
バランスがとれなくなって一歩よろける。
衝撃で、殴られた事に気付いた。
……いつもだったら、きっとショックで言葉も出なかったと思う。
男の人に殴られるなんて初めてだし、この場にしゃがみこんでたかもしれない。
けど、不思議と恐怖みたいなモノはほとんど感じなかった。
負けたくない。
宮坂を、守りたい。
その一心だった。
ひりひりする頬を押さえながら顔を上げると、思い切り顔をしかめた沖田さんがいた。