蜜色オフィス


「薬? どこか調子悪いの?」
「今回、生理痛がひどくて」
「……そうは見えない食べっぷりだったけど」
「こういう時こそ栄養取らないとでしょ。
ねー、芽衣。医務室行って薬もらってきてくれない?」
「え、なんで私が、」
「そのついでに、ちょっと休んできた方がいいんじゃない?
部長には言っておくから」


なんで私が休む必要があるんだろう。
そんな疑問を持ちながら見ていると、梢があたしの顔を指差した。


「顔色、ハンパなく悪いよ」


一瞬キョトンってしてから、梢をじっと見る。


「何があったんだか知らないけど、そんな顔色でいられたら宮坂だって気にするんじゃない?」


ニコって笑った梢は、時計を指差しながら言う。

宮坂が出社してくる時間を指してるんだって気付いて、苦笑いをもらした。
……本当に適わない。



< 194 / 302 >

この作品をシェア

pagetop