蜜色オフィス


「どうすればいいの……?」


ぐって俯いて独り言をもらした時、ポン、って明るい音がした。
その音にハっとして顔を上げる。

オレンジ色に光ってる1Fの文字。
静かな機会音と一緒にドアが開いて、思わず声をもらした。


「……あ」


開いた視界に映ったのは……、午後から出社予定だった宮坂。
動けずにいると、少し顔をしかめた宮坂が聞く。


「どうした? 顔色が悪いけど」


……梢の言った事は正しかったな。
こんな一瞬で気付かれるとは思わなかった。

っていうか私、一晩寝なかっただけでそんな顔色変わるのか。


「ちょっと……、貧血っぽくて」
「……ふーん」


観察するみたいな宮坂の視線から逃れるように、俯いて言う。




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