蜜色オフィス


寝不足の理由は、夜更かししたからじゃない。
早い時間にベッドに入ったのに、考え事が邪魔をして眠れなかったからだ。

その悩みが解決してないんだから、眠れるわけないんだけど……、笑顔で頷いた。


「うん。私、どこでも眠れるらしいから」


微笑んだ宮坂が、一歩ずつ私に近づく。
そして、目の前までくると、手を伸ばして私の頬に触れた。

それだけで、身体中がきゅうって締め付けられて苦しい。

こんなの、初めてだ。
気持ちが身体に伝染して、私全部が宮坂に反応して……、切なくなる。


身体をかがめて近づいた宮坂に気付いて、自然にビクって肩がすくむ。
そんな私にふって笑った後、宮坂が触れるだけのキスをして。

それから、至近距離で見つめてくるから、恥ずかしくなって目を伏せた。



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