蜜色オフィス
「大事。
手離したら、何もできなくなる」
目を伏せて微笑みながら言った宮坂に……、歯をぐっとかみしめて俯く事しかできなかった。
グラグラ揺れている気持ちが、答えを見つけられずにさまよう。
目の前の景色までもが、ゆらゆら揺れて見えた。
現実的に考えたら、最初から決まってる選択肢。
それを、大きく膨らんだ宮坂への気持ちが、見えなくさせる。
宮坂のストレートな想いが、私を揺すぶる。
グラグラグラグラ。
揺れ続ける気持ちが、苦しくて仕方ない。
ポキって折れそうなくらいに揺れてる感情が、痛い。
お願いだから。
優しくしないで。