蜜色オフィス
言われてみれば確かにそうだ。
福田くんが私をなぜか気に入ってる事は知ってたんだし、もっと疑うべきだったのかもしれない。
そう感じて歯切れ悪く返事をすると、宮坂は軽いため息をついてから、私の頭をぽんって撫でた。
「別に無理しなくてもいいよ。
社内での事だったら俺が気付けるし」
顔を上げると、優しい微笑みを向ける宮坂と目が合う。
「早とちりも、勘違いも。
ほだされやすいのも騙されやすいのも、俺がフォローできる」
「……そこまでひどくないでしょ」
「社外での事も、一緒にいればどうにでもしてやれるから。
これからは、俺が助けてやれる」
「一緒に……」
言葉がつまったのは、思わず涙が浮かんできそうになったから。
だって……、一緒にはもう……。
考えて考え抜いたけど、私のよくもない頭じゃ、解決策なんて思いつかなくて。
イヤだけど、本当に、心の底からイヤだけど……。
私には、沖田さんの言う事に従う以外に、宮坂を守れる方法が見つからなかった。
だから、もう―――……。