蜜色オフィス
「薬は? ないなら買ってくるから、早く横になった方がいい」
「悪いよ、そんなの。私、自分で行けるから、」
ソファーから立ち上がった私に、宮坂の非難の視線が突き刺さる。
体調管理がなってないみたいな事を言われるのかと思ってビクビクしていると、ため息をついた宮坂が顔をしかめて言う。
「頼むから、大人しくしてて。
必要な物があるなら俺が買ってくるから」
「……はい」
心配してくれてるのが伝わってくるような声に、少し悩んだ後素直に頷いた。
宮坂が出て行った部屋でひとり、メイクを落として部屋着に着替える。
これ以上心配かけないようにベッドに横になって……、沖田さんに告白された日の事を考えてた。
貧血で医務室送りになったあの日の事を。