蜜色オフィス
沖田さんに告白された後オフィスに戻ると、隣に座った私を見て、宮坂は顔をしかめた。
『まだ寝てればいいのに』
『でも、ただの貧血だし』
『貧血っていうのはただの素人判断だし、少しでもおかしいところがあるなら病院に行った方がいいと思うけど』
『大丈夫だよ。自分の身体の事くらい分かるもん』
貧血で病院だなんて大げさすぎる。
そう思って笑った私を無視して宮坂は続けた。
『明日は土曜日で休みだし、病院くらい行く時間あるだろ。
言っておくけど、貧血だって病気だから』
『でも、そんな大げさにしなくても、』
『はっきり言おうか。
体調崩されてまた倒れられても迷惑だって』
『別に、宮坂に迷惑かけてな……、あれ? ここにあったファイルは?
16時からの会議で使うから、夕方までに整理しておくように言われてたんだけど……』
『もうやっておいた』
『……迷惑かけてスミマセン』
『明日病院は?』
『行ってきます……』