蜜色オフィス
いつだって、宮坂は私の事を支えてくれてた。
見ていてくれてた。
想っててくれてたのに……。
私は何も気付けなくて、いつも上辺の憎まれ口だけを聞いて怒ってた。
宮坂は、私がいつも通りに仕事ができるように、そんな遠回しな心配をしてくれてたのに。
宮坂の気持ちに気付いたら、私が困惑するって分かってたんだ、きっと。
だから、わざわざあんな言い方ばっかりして……。
付き合い始めてからの宮坂の愛情表現を見れば分かる。
本当は、今まで宮坂がなんて言いたかったのかが。
ただ、心配だって、そう言いたかったんだって……、分かる。
『独り言にしても、うるさすぎるんだけど』
『はっきり言おうか。
体調崩されてまた倒れられても迷惑だって』
『じゃあ、先週の飲みすぎはそれが原因?』
いつも……、私の事を心配してくれてたのに。
少しの変化に気付いてくれてたのは、いつも宮坂だったのに……。
なんで、気付かなかったんだろう。