蜜色オフィス
宮坂をちゃんと見ていれば、気付けたのに。
今、思い起こせば、分かるのに。
2年間も気付けなかった。
ずっと……、隣にいたのに。
1ヶ月前の医務室に戻りたい。
そしたら、沖田さんの告白をきっぱり断わるのに。
あの時、頭を撫でられた時に感じた不思議な予感。
この人の事、好きになれるかもしれないなんて……、なんであんな事思っちゃったんだろう。
あんな、貧血起こした頭で感じた事が、正しかったわけないのに。
もっと速く宮坂の存在に気付けていたら。
もっときちんと判断できていたら。
考えても遅い後悔ばかりが、頭の中から離れない。