蜜色オフィス


宮坂をちゃんと見ていれば、気付けたのに。
今、思い起こせば、分かるのに。

2年間も気付けなかった。
ずっと……、隣にいたのに。


1ヶ月前の医務室に戻りたい。
そしたら、沖田さんの告白をきっぱり断わるのに。

あの時、頭を撫でられた時に感じた不思議な予感。
この人の事、好きになれるかもしれないなんて……、なんであんな事思っちゃったんだろう。

あんな、貧血起こした頭で感じた事が、正しかったわけないのに。


もっと速く宮坂の存在に気付けていたら。
もっときちんと判断できていたら。


考えても遅い後悔ばかりが、頭の中から離れない。




< 224 / 302 >

この作品をシェア

pagetop