蜜色オフィス
◇「全部、説明するよ」
「あれ……」
目を開けて部屋を見回しても、宮坂の姿はなかった。
外はもう明るいみたいで、カーテンから日差しが溢れてる。
上半身を起こして背伸びをした後、カーテンを開けた。
なんか……、身体が楽かも。昨日ぐっすり寝たからかな。
とりあえず、顔を洗って、何か飲もうかと冷蔵庫を開けた時、ガチャって鍵が開いた音がした。
振り返ると、ビニール袋を持った宮坂がドアをしめたところで。
「帰ったと思ってた……」
驚きながら言うと、宮坂はキッチンまできてシンクに荷物を置いた後、私のおでこに触れた。
「朝、何か食べるかと思ってコンビニだけ行ってた。……熱、下がったな」
「うん。いっぱい寝たからよくなったみたい。
ごめんね、なんか迷惑かけちゃって……」
せっかくの日曜日なのに、朝の7時からコンビニに買い物なんて……。
申し訳なく思って言うと、宮坂が笑う。