蜜色オフィス
私の言葉に、宮坂は何かを考えてたみたいだけど、何も言わなかった。
私も黙って、宮坂の横に座ったまま、今聞いた話とかを頭の中で整理してみたけど……。
状況は何も変わっていなくて。
いつの間にかしかめっ面になっていた顔を隠すみたいに俯いた。
宮坂も何も言わないのは……、私と同じ考えに行き着いたからなのかな。
結局は、沖田さんの言う通りに別れなくちゃって、気付いたから?
「……宮坂」
「ん?」
「私はやっぱり……、宮坂の社内での立場を守りたい。
ずっと、頑張ってる宮坂の隣で仕事をしてきたんだもん……。
それを、沖田さんなんかに壊されるのは、イヤだよ」
そう言葉にして、一度黙ったけど……。
我慢できない気持ちが、ポロポロと溢れ出しそうになる。
だから、ぎゅって口を結んだ。
……ダメだ。言っちゃ。
だって、せっかく正しい事を伝えられたんだから。
これ以上、言っちゃダメ。