蜜色オフィス
「あ……、宮坂…っ」
なんで、こんなに好きなんだろう。
なんで、こんなに―――。
キスを終えて、乱された呼吸を整えながら見つめていると、宮坂が笑う。
「……俺も」
ぼんやりした頭で、どういう意味だろうって考える。
『俺も』なんて返事に繋がる言葉を何も言ってないのにって。
そんな私に、宮坂が覆いかぶさるみたいにして、耳元でささやいた。
「俺も……、愛してる―――」
宮坂の体重を感じながら、涙が一粒頬を伝って流れ落ちる。
なんで、私が思った事が伝わったんだろう。
そんな疑問は、また熱を持った宮坂と涙に邪魔されて聞けなかった。