蜜色オフィス
「実は……、私事で大変恐縮なんですが、第二営業課の篠田くんと結婚する事が決まりまして」
一瞬、シーンってなったオフィスが一気に沸きあがる。
二課の営業担当からは、「おめでとうございます!」って声が次々に上がってた。
「今年35を迎える私と篠田くんとは、年は一回り以上違いますが、二人で仲良くこれからの道を歩んでいこうと思います」
篠田さんも周りにいる社員たちに囲まれて嬉しそうに笑ってたけど……。
少しだけその様子を見てから、すぐに視線を戻した。
社長の隣に立つ、宮坂に。
宮坂も、じっと私を見ていた。
いつも通りのポーカーフェイスがじれったい。
宮坂がなんでそこに立ってるのか、全然読めない。