蜜色オフィス
沖田さんは何も返事をしなかった。
ただ、舌打ちして、顔をしかめただけで。
「そういうわけだ。
もう、早川さんが心配するような事は何もない。安心して、千明を傍で支えてやって欲しい」
「あ……」
そうか! これで、解決……なの?
え、本当に?
なんだかあっさりいきすぎて、頭がついていかない。
まだ何か落とし穴があって、沖田さんがそこをついてくるような気がしてならなかったけど……。
社長が言うんだから、信じていいんだよね?
そう思いながらも少しの不安が消えなくて、隣を見上げる。
宮坂も私を見ていたみたいで目が合って……、優しく微笑まれた。
「色々悩ませてごめん。もう、大丈夫だから」
「……本当に?」
「ああ。本当に」