蜜色オフィス
「でも、沖田さん、色々複雑な環境で育ったんだね……」
「だからって、早川にした事が許されるわけでもないだろ」
「あ、でも、私はもう気にしてないから、宮坂も今までの事はもう忘れて大丈夫だから」
「それ、本気で言ってるのか? あんなに泣くくらい悩んでたのに?」
“信じられない”そんな顔で言う宮坂に、少し笑いながら頷く。
許すなんて甘い!って梢にも宮坂にも怒られそうだけど、強がってるわけでもいい子ぶってるわけでもなく、もう気にならないのは本心だった。
「色々あったけど……、沖田さんにも事情があったんだしいいかなって。
社長に怒られてた姿見てたら可愛く思えちゃって、怒る気もなくなってた」
「……可愛く?」
そう呟くように言った宮坂が、眉をしかめる。