蜜色オフィス
「でも、現場を見たとかそういう事があったから浮気疑惑が浮上してるんだろ?」
「……梢が、他の女の子と腕組んで歩いてるのを見たって。
しかも2回」
「……」
「梢がケータイで写メ撮ってくれてたから、私もそれ見たんだ。
それに、他の女の子宛に送ったメールが、間違って私のケータイに届いた事もあったし」
「写真がある時点で決定打だろ」
「けど……、写真は遠目だったし、自分で見てないだけに、なんか信じきれなくて。
だって、告白を一度断わったのに、それでも試して欲しいって……。
そこまで言ってきてくれたのに、他の子と浮気なんかするのかな」
「……考えにくいね」
「でしょ? だから、もしかしたら私に恨みとかがあって、裏切ってキズつけようとか……。
そういう目的があって、告白してきたなら納得できるんだけど……、そこまで恨まれる事って思い当たらなくて。
……なに?」
じって見つめられて、不思議になって聞く。
宮坂は、ふって笑ってから私の疑問に答えた。
「よほどその事ばかり考えてたんだな」
「……なんで?」
「人を疑うとか、そういう事をほとんどしない早川が、そこまで考えてるから」