蜜色オフィス
「怒られて当たり前でしょ。今はなんでも経費節減の時代なんだから。
福田は反省の色が見られないから余計に怒られるんだよ。
福田がそんなだと教育係の宮坂がとばっちり食うって分かってんの?」
梢が、パクパクと口に入れてるオムライスも大盛りサイズ。
ここに座ってると、私も大食いのひとりとして認識されちゃいそうだ。
「あー、同じ事、宮坂先輩にも言われました。
一度なんか、『俺に迷惑をかけるために入社してきたのか』とかまで言われちゃったし」
ははって笑いながら言う福田くんの辞書には、責任感だとか罪悪感って言葉がないのかもしれない。
宮坂の仕事だとか、他の営業の人の足を引っ張りまくってるのは、見てるだけの私でも分かるくらいなのに。
本人はまるで自覚なしだ。
「芽衣先輩、宮坂先輩と教育係代わって下さいよー。
俺、芽衣先輩が教育係になってくれたら、毎日楽しく仕事できる気がします」
「……今でも十分楽しそうだけど」
「えー、そんな事ないですよ。毎日会社に来るのがしんどくしんどくて」