蜜色オフィス


「芽衣が押しに弱いって知っててやってるでしょ」
「あ、バレました?
そういうとこ、可愛いなーとか思ってて。
あと、優しいし、小動物系で小回りきいて可愛いし。
仕事はできるのに、プライベートの飲み会の誘いとか断われないとか、優柔不断でひとりで決められなさそうなとこもいいですよねー。
まさに守ってあげたい!って感じで!」
「……」


小動物系で小回りがきいて可愛い。
……沖田さんも同じ理由で私に告白してきたのかな。

っていうか。
そもそも沖田さんって、本当に私が好きなのかな。
なんかもうそこから分からない。

あの張り付いたような笑顔の下に、何か隠してる事があるように思うのは……、私の考えすぎなのかな。


「芽衣先輩はどんな男がタイプですか?」


全然懲りてない福田くんには、「仕事のできる男」とだけ言った。

自分でも仕事ができない事を分かってたのか。
福田くんはポカーンとした顔をして、それを見た梢が大笑いしてた。


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