蜜色オフィス
「多分ね」
「でも、今日このホテルに沖田さんがくるって、なんで知ってるの?
どこ情報?」
「沖田の同期の間では有名らしいから。
女を連れ込む時は、大体ここだって」
「え、そうなの? 毎回?」
言われてみると……、そういえば、何回かこのホテルの前で誘われた事があったっけ。
でも、毎回ホテルってどうなんだろ。
付き合い始めはいいとしても、時間が経ったらお金も勿体無いしってなりそうだけど。
そんな事を考えてると、宮坂が言う。
「毎回違う女を連れ込んでるんだと思うけど。
沖田は前から特定の女は作らないで、適当に遊んでるようなヤツだったし。
だから、早川に言い寄ってきてる男が沖田だって知った時は、驚いた」
ブラックのコーヒーを飲みながら言う宮坂。
オレンジ色の間接照明が、心なしか宮坂の表情を柔らかく見せてる。