蜜色オフィス


そんな宮坂と、なんで同じベッドで寝てるわけ?!

いくら思い返しても、思い出されるのは昨日の甘ったるい情事のみ。

……おかしい。昨日は確かに沖田さんといたハズなのに。
なのに、なんで――――……、

困惑の眼差しの向こうで、宮坂は上半身を起こして片手で後ろ頭を軽く触る。
そして、私の心の中の問い掛けに答えた。


「……昨日、早川が酔いつぶれたって西岡から電話がかかってきて、それが俺の家のすぐ近くだからとか、そんな迷惑な理由で泊めろって」
「え」
「西岡は早川を連れてくるなり、終電がどうの言って帰るし。
早川、かなり酔ってて床でも平気で寝そうだったけど、後で文句言われても嫌だから仕方なくベッド貸したんだよ。
飲むのは勝手だけど、俺にまで迷惑かけないでくれない? かなり迷惑なんだけど」
「……西岡って、梢?」
「そうだよ。同期入社で早川と仲がいい西岡梢。
……まさかそれまで忘れてる?」


言われて、記憶を回想させる。



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