蜜色オフィス
「目障りなんだよな。
涼しい顔して、俺って仕事できます~みたいなオーラ出されても。
すげぇ鬱陶しい」
「……なんか、ひがみみたい」
「は?」
ボソっと呟くと、沖田さんが顔をしかめる。
「ひがんでるわけねぇだろ!」
「でも、そうとしか聞こえませんでしたけど」
「こんなヤツ、同じオフィスにいるだけで邪魔だって言ってんだよ!
たいした仕事もしてねぇくせに。
サブなんか給料泥棒だって、一課の中では笑い者……、」
思いっきりひっぱたいたつもりだったけど。
殴られても、沖田さんは踏みとどまっていた。
尻もちつくくらい力を込めたのに。
嫌なヤツを殴り飛ばせるくらいの力もないなんて、悔しくて仕方ない。
空手でも習っておくんだった。
じんじんする右手を握り締めながら睨んでいると、沖田さんが睨み返す。
完全に怒ってる顔だった。