蜜色オフィス
確かに、昨日は梢と飲んでた。
定時きっちりに終わらせて梢と二人でパスタを食べた後、最近できたばかりのおしゃれなバーに行って……。
で、そこでめいっぱい愚痴を言って飲んで。
『お試し期間って事でいいから』って、強引に押し切られて付き合い出した沖田さんが、えっちばっかり求めてくるとか。
『そういう事は、私が沖田さんを好きになるまで待って欲しい』って言ったら、不機嫌になって口を聞いてくれなくなったとか。
主にっていうか全部沖田さんの文句だったけど、それを、梢に聞いてもらって……。
その辺りから記憶が曖昧……。
部屋を見渡すと、遮光性のある濃紺のカーテンと白いレースのカーテンが視界に映った。
私が目を開けて最初に見た景色。
そこから時計回りに眺めていく。
黒いテレビボードの上に置かれた液晶テレビと、その両隣にあるのは恐らくサウンドシステム。
黒いテーブル、グレイのソファ、シルバーのキッチン、黒の冷蔵庫。
チラっと見えるだけだけど、キッチンには数種類の調味料が揃ってる。