蜜色オフィス
「じゃあ、沖田の浮気が決定打になったのがそんなにショック?」
スーツの上着を脱いで、Yシャツ姿になった宮坂が聞く。
私達が座ってる畳は、L型。
右斜めの方向から、宮坂の呆れた視線が刺さる。
「違うよ……っ、そんなんじゃない……」
炭酸で壊れたらしい涙腺のせいで、涙が止まろうとしない。
おかげでなかなか上手く話せなくてもどかしい。
「じゃあ、沖田にあんな言われ方したのが悔しい?」
「違う……っ!」
「じゃあ、」
「沖田さんが……、宮坂を、ボロボロに言う、から……っ!
宮坂を、バカにされたのが悔しいのっ」
私と沖田さんとの事なんて、もうどうでもいい。
もやもやしてた部分がハッキリして、むしろスッキリしたくらいだし。
最初から騙すつもりで告白してきたっていうのはやっぱり少しショックではあるけど……。
でも、それ以上に許せない事があって。