蜜色オフィス
「……んっ、…」
触れた瞬間、一度だけした宮坂とのキスが一気に思い出された。
そして、その記憶と同じように、舌が入り込んでくる。
それを普通に受け入れちゃってる自分に気付きながら、抵抗する気にはならなかった。
「……ふ、……、っ」
なんで。
なんで、宮坂とのキスを拒めないんだろう。
この前も、今も。
酔わされるみたいに、流されてく。
中毒にでもなってるみたいに、欲しくなる。
身体が宮坂を求めてるみたいに、内側からドキドキと私を急かす。
「んっ……あ…っ、みやさ、か……っ」
ぐっと背中に回された手に抱き締められる。
いくら個室っていっても、こんな場所でキスとか……。
酔ってるわけでもないのに、ありえない。
けど。
「……ん……っ」
このキスを拒む方法を、私は知らない。