星を探して…~手が届かない~





それから先生が保健室を出るまで
ずっと同じことを考えてた。


好きな人はいない…。
なら、付き合ってる奴がいるんじゃ…。

12回告られて、
1回もokしない方がおかしい…か…。


「はぁああ……。」


今日何回目のため息だろう…。

我ながら、ため息つくたびに
聞きたくもない不幸話を耳にする…。

深田の言ったとおりじゃん…。

『ため息つくと幸せが逃げちゃうよ?』


全くそのとおりらしいな…。


「キーンコーンカーンコーン―――。」


今、何時間目だ?
次もサボろうかな……。


「ガラガラガラ―――。」


…ん?
カーテンに人影。
なに突っ立ってんだよ?

寝たいなら寝れば―――。


「王子!いつまでサボる気!?」


夢だろうか…。
目の前には…深田。



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