Kissデビル




「ゴホッ」





誰かがアンモニア水の瓶を開けたのだろう。


鼻をつくような刺激臭がして
気持ち悪くて窓をあけて新鮮な空気を吸ってると、
外から体育のクラスの声が聞こえてきた。






「つぎ160ー」


見ると、隣のクラスが走り高跳びの授業をしているところのようだ。


よく見てみると、
キャーッという女子たちの悲鳴のような歓声のなかで
棒を飛んでいるのはあの久保寺。






女子たちの身長近くまである高い棒をなんなく飛び越える久保寺に
女子の歓声はさらに大きくなっていくばかりであった。











ダボっときたジャージも180の長身がきればキマる。



やっぱり運動神経も抜群で。





わたしはこの完璧男子にますます悩まされるのであった。

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