Kissデビル




「あーうん分かった。
つぎ移動教室だし教室帰ろーっと。」





「そうしてもらえるとありがたいね」





わたしはピョンっとフェンスから飛び降りると、
出口のドアのほうへ歩く。








「ねえ!」




振り向いて
まだ外を見ている久保寺の背中に言った。







「絶対
好きにさせるから!」





「…は?」

意味不明という顔をして久保寺が振り向いた。










「これは
泉梨華の名をかけた大勝負なの!!」



「あんた絶対負かすから覚悟しといて!」










それだけ言い切ると、満面の笑みで笑いかけた。




意味わからなくたっていい。


これは一種の宣戦布告。



自分に対してにも。





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