紫陽花のキミに。
「橋村悟!」
「あ?」
重たい頭を上げると目の前に仁王立ちする女が一人。
…誰だよ
「1992年8月11日生まれ、しし座のO型、中学からバスケばっかしてるくせに学力は上の中、彼女いない歴16年、スポーツバカの引っ込み思案!」
ビシッと俺に指を差して
言い放った。
意味わかんねー…
「まず、引っ込み思案じゃないし、何、お前誰?」
俺は仁王立ち女を下から睨んだ。
すると、
女は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「私はあんたの家庭教師、浜崎結衣」
…家庭教師?
なんか聞き覚えが…
「聞いてない?
私があんたの家庭教師になるかわりに、あんたが私をあんたの家に置くって条件で承諾したはずよ?」
はぁ?
なんだそれ
カテキョって…しかも同居って
「聞いてないし、承諾した覚えもないんで」
だれがこんな意味わかんねぇ奴と…
「…見捨てるの?」
は?