隣の席のキミ



本当、何やってんだか…。
こんな自分に、笑えてさえくる…。
とりあえずクローゼットを開けて、一つひとつの服をまじまじと見つめた。
今日、どこ行くんだろ…。
遊園地なら動きやすい方がいいし、映画だったらどんなのでも多分大丈夫…。
私はケータイを開いて藤田にメールした。
『今日、どこ行くの?』
そしてすぐに返ってきた返事。
『内緒★』
きた…一番困るパターン。
しかも、もう時間ないし…。
私は『ばかぁ~!!』とだけ返信して再びクローゼット内の洋服を見てみる。


五分かけて選んだ服。
いまいちなコーデだけど、私には駅前に10時集合という約束があるのでその辺は仕方ない…と思う。
バッグを持って「行ってきまーす!!」とだけ言って急いで家を飛び出した。


駅前に着くと、藤田はまだ来ていなかった。
急いで走ったから、息がみだれる。
「はぁーセーフ!!」
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