隣の席のキミ
――――――――というわけで、今から藤田にメアドを聞こうとしている私の手には汗が…案の定緊張しすぎてます。
「ね、ねえ藤田ぁ?」
そこにいる藤田に声をかけた。
「ん!?」
藤田は普通~。
あたりまえか。
「アド交換しよーよ!?」
よし、言った!!言えた!!
「え~山城さんに教えんのぉ~」
「……!!」
わ……藤田…ひどいよ!!
なによ、藤田のくせに…
でも…お願いだからヤダって言わないでぇ~(泣)
「…あ、ヤなら別にいいんだけどさぁー」
そして私は冷静を保つ。
「いや、別にヤじゃないけど~」
「え…?じゃあいいの??」
「しょーがねーな。教えてやるよぉ~」
…本当にいいの!?
…やったぁ。
なんか、超上から目線…なのは気にしなーい。
「ありがと!」
「じゃあさ、赤外線でい?」
「うん」
「んじゃ、ケータイ出してー今送る~」
「オッケェ」
……それから、藤田とメアドを交換した。
ケータイ同士を近づけてるときは、心臓がバクバクいって…死にそうなくらいヤバかった。
自分達が近づいてるような気がして、嬉しかった…。
ガラ…
担任の中山先生が入ってきた。私達は慌ててケータイを隠す。
「あぁっぶねぇー!!」
「藤田!!見えてる!」
私は藤田のケータイがほんの少し見えていることに気づき、慌てて言った。
意味不明なジェスチャー付きで…(笑)
「うわっやべ!!サンキュー」
そしたら、藤田は一瞬目を見開いてその後すぐ笑顔を見せた。
……この、無邪気な笑顔…好き。
胸の奥がまたドキドキうるさくなってきた…。
私は自分の顔が赤くなってるのを感じて、藤田と顔をそらす。
このまま、藤田と顔をあわせてたら、私…死にそう…。
少しして、私の異変に気づいたのか、藤田が私の顔を覗き込む。