隣の席のキミ
Story*2

素の君 Yuuto




現在昼過ぎ。


………俺、朝からずーっと思ってたんだけど…
山城さんの寝癖…?が、なんかヤバい…。
…もう、昼過ぎてんのに、俺以外誰一人気付かなかったのか…!?
……いや、違うな。
言うに言えなかったんだろ…多分。
山城さんの友達の原田も言わないし…本当に友達なのかよ…!?
……このままだと、さすがに山城さんがかわいそうだし、気づかせた方がいい…。
……でも、すげぇな。
朝から昼過ぎまで、寝癖が直んないのも(笑)
相当ねぞうが悪いらしい…。


そこにいた山城さんに、声をかけた。
違和感がないように。
「ねーねー」
「何!?」
突然声をかけたせいか山城さんはびっくりしたみたいだ。
そして俺は思い切ってさっきのことを………っ…ヤバっ…なんか笑えてきた…。
だって、朝から今この時まで気付かないってどういうこと…(笑)
山城さん、どんだけ天然…?
いや、バカ…?
もう、ダメだ。
笑いこらえられない…
「ここ」
あんまり、ズバッと言わないように、俺はジェスチャーのみで伝えようとした。
「え…何??」

……けど、なかなか通じない。
自分の髪の毛を見ろ!!
そんな思いを込めて、さっきとは違う分かりやすいジェスチャーをしてみる。
やっと、気付いたみたい。
髪の寝癖を見つめ、顔を赤らめていく山城さんが、また、面白い。
あぁ、もう限界。
「…ぷは…っね、寝癖はんぱない…」
俺は吹き出さずにはいられなかった。
これでも、我慢した方。
「そんなに笑わないでよ!!」
や、無理です…こらえられるわけがない…。
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