隣の席のキミ



そんな私に藤田は声をかけてくれた。
いや、藤田にしてみれば声をかけただけなんだけど…
「ねーねー」
そう言う藤田の顔は、どこか、ニヤついていた。
「何!?」
少しの沈黙…。
「ここ」
藤田を見ると、自分の胸あたりで人差し指を動かし、ジェスチャーをしているみたい…っていっても何のジェスチャーなのかさっぱり分からず。
「え?…何!?」
私は聞き返した。
すると藤田は今度は私の髪の毛を空中で指差す。
……え!?
髪…の毛…!?
改めて自分の髪の毛に視線をやった。
…わっ!!
……なるほど…どおりで‥。
そんな私を見て、藤田はクスクスと笑う。つ///////!!
「…ぷは…っね、寝癖はんぱない…っ」
そ、そんなに笑わなくてもいいのに、藤田はクスクスと笑い続ける。
「そんな笑わないでよ!!」
「…だ、だって、朝からずっと気付いてなかったから…っ」
まだ笑い続ける藤田。


だよね。私バカだ。
本当にバカだ。
…でも、だってしょうがないじゃん…。告白のことで頭いっぱいになってたわけだし…なーんて言えるはずもなく。
「じゃあ藤田は朝から気付いてたの!?」
「まあね(笑)」
さっきの藤田とは違って、今度は柔らかくて、すごく安心できる君の笑顔…見せてくれた。
「もっと早く言ってよー!恥かくじゃん」
「ドンマイドンマイ~!」
うん…。
藤田のこういうとこが好き。
軽くフォローするとことか、ちゃんとコントロールしてるとことか…。
やっぱり、あの笑顔も…。

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