隣の席のキミ
「ねーねー山城さん英語の予習見して~」
!!!///
「あ、うんいいよー」
突然話しかけてきた藤田に冷静ぶってノートを差し出す私。
「サンキュー」
そういってノートを受け取る藤田の手は、小学生の時とは全然違くて…男の人ってかんじ…。
なんか、遠い。
私に届かない場所に藤田は存在してるみたいで…。
そう思うと、急に胸がキューってなった。
……ヤバ…手、がんみしちゃってた…。
「ねー聞いてる!?」
…!!!!
「え!?何??」
すると藤田は、私の顔とさっきのノートを交互に見比べてクスクスと失笑する。
…顔見て笑われるのも、軽くショックなんですけど…。
数秒後…
「あのさー、予習のページ間違ってんだけど(笑)」
…は!?
…え…
「えぇ!?うそぉ!?」
信じられない…信じたくもない…
「嘘じゃねぇよ、ほら」
そういって藤田は教室の裏黒板をここから指差した。
私もつられてそこに目をやる。
見たのは当然英語の項目。
そこに書かれた下手くそな字。
「10ページ予習」
で、私が予習したのは「16ページ」
…藤田の言う通りだ…。
最悪…
本当バカだ、私。
とりあえず藤田に軽く謝って、
「ご、ごめん!!今すぐやり直す」
10ページ予習スタートー!!
と思ったら…
「もう、無理だろ(笑)」
高い位置にある時計を軽く顎でしゃくって、藤田は言った。
時計を見上げてすぐに分かった。
ただ今、授業開始時刻5秒前。
「ど、どぉしよぉ!!」
「ドンマイじゃん?俺もだけど」
そうこうしているうちに、戸が開かれた。
……ガラ…
あ…もう終わった…。
本当朝からついてない…私…。