隣の席のキミ
そりゃあそうだよ。
旅行の実行委員なんて、めんどくさいだけじゃん。
「誰もいないならこっちから指名するぞ~」
わぁ、指された人可哀想…。
「じゃあ、まず男子は藤田」
……なんで藤田…!??
「……は!?ちょっとまって!!なんで俺なの…!?」
そんな藤田なんか無視して、話を進める先生。
「それから女子は、山城だ。よろしく頼むぞ~」
……
………
…………はいぃぃ!?
今、なんて?
わ、私…実行委員―――――っ!?
「せ、先生!!なんで私なんですか!?」
いくらなんでも、これはない。
班だって一緒なのに、二人に限られた実行委員が私と藤田なんて…。
すると先生は得意気な顔をして腕を組みながら言った。
「お前ら二人…覚えてないのか??」
「な、なにがですか!?」
少し経って、先生の口から出た言葉。
「島田先生から聞いたんだけどなぁ、英語の授業…忘れたか?」
……はい。
覚えてます。
廊下に正座した…あれだ…。
「じゃあ、実行委員は絶対なんすかー!!?」
今度は藤田が先生に問う。
「当たり前だ~」
先生の一言で、宿泊旅行の実行委員二名は私と藤田に決定した。
……本当、悪運!!
これから藤田と二人で旅行の計画をたてていくわけだし…
こんなんで、私大丈夫なのかな。
逆に藤田に迷惑かけるような気もする。
でも、迷惑かけないように、頑張らなきゃ。
その後、私は職員室まで来るように、と担任から言われた。
…ガラッ
「…失礼しまぁす」