隣の席のキミ



知らない人も、
小さな子も、
いっぱいいだけど、やっぱり私は海が好き。
気持ちいいなぁ。
なんて、私は海辺でしばらく景色を楽しんでいた。
「由花、あたしトイレ行ってくるね」
そう言って、真菜はトイレのある方向へ走って行った。

ジャポンと来た小さな波が私の素足を覆った。
わ…冷たぁい。
感じたのはそれだけ。
気温は丁度いいといっても、やっぱり5月の海は肌寒い。
そんな時だった。
前野が私に遠くから叫ぶ。
「山城ぃー、ちょっと来てみー」
……!?
何だろ…と思いながら、前野の元へ走った。
「…見て、これ」
そう言って前野が差し出したのは綺麗な綺麗な貝殻だった。
それを受け取る私。
「わぁ…綺麗…」
「だろ」
「拾ったの!?」
「そ。あ、そうだ、おまじない、あるんだよ、知ってる?」
前野の言葉にううんと首を横に振った。
どんなだろ…。
< 45 / 110 >

この作品をシェア

pagetop