隣の席のキミ



もぉー…前野は違うのに。
そう思いながらも、さっき自分を救ってくれた前野の姿を思い出す。
優しかったけど…違う。
「本当前野は違うから!私は………えっと、藤田だけだもん」
「またまたぁ。藤田は止めるんじゃなかったの~?」
「と…とにかく恋バナ終了ぉー!!」
無理やりこの会話を止めた私。
あんな事言われたら、逃げたくなるに決まってる。
でも、…そうは言ったものの、急に前野の微笑んでくれた顔を思い出す。
/////////
思わず赤くなる顔。
ただ意識してるだけだとは思ったけど、これがもし恋だというならばそれはそれで嬉しくもある…。
ただ、相手は前野だけど。
藤田を忘れて前野を好きになったのなら、これからも、どんどん好きになってしまえばいいんだ。
そして、胸の奥にいる藤田を忘れてしまえばいいんだ…
私は前野に恋をしよう…。

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