隣の席のキミ
忘れるために Yuka
時間はあっという間に過ぎて、消灯時間になった。
先生がさっき見回りに来たから、当分は来ないだろう。
「ねえ、真菜、もりちゃん、起きてますぅ?」
小さな声で私は隣の二人に話しかけた。
………
あれ?
返事が…ない…?
暗くてよく見えないけど、一応二人の顔を確認してみた。
・・・・・・寝てる。
しかもいびきまでかいて、超爆睡。
私は部屋全体を見渡してみる。
「クゥ~」
「クガァ~」
「スゥ~」
耳に入ってきたのは皆の寝息やらいびきやらだけだった。
え、本当に皆寝ちゃったの!?
まだ11時なのに!?
回りを見てキョロキョロしている自分が恥ずかしく思えてきた。
…疲れちゃったのかなぁ。
しょうがないよね、私も早く寝ないと…。そして布団をかけ直す。
よぉし、お休みなさぁい!…と思ったら、トイレに行きたくなった。
…一人じゃ怖いけど、友達起こすわけにはいかないし……行くか…。
カチャッとドアを開け、廊下に歩み出る。シーンとした廊下に響くのは、一番突き当たりにある男子部屋から聞こえる声。