隣の席のキミ
異変 Yuka
昨日は、あれからぐっすり寝れた。
前野に本当の気持ちを気づかされて、内心自分に呆れた。
けど、そこまで私は藤田が好きだったんだって思うと、なぜか嬉しくなった。
だから、この恋は、また1から始めようと思った。
また、最初から。
フられた過去なんか見ないで、藤田とちゃんとした友達になることから、始めようと。
まずは、ちゃんと話せるようにならなきゃいけないから、今日、声をかけてみよう。そう思い私の中にあった暗い気持ちがいっきに弾け飛んだ。
気持ちが明るくなっただけで、心がすごい軽くなった気がした。
朝ご飯も食べ終わり、ふと前にいる藤田に気付く。
この人を見るだけで緊張が溢れ出す。
で、でも私は友達からやり直すって決めたんだから。
声…かける。
スゥット息をすって緊張をやわらげてから私は口を開いた。
「藤田!おはよ~」
…なんとか、言えた。
でも、違和感ありすぎじゃない?
恥ずかしぃ…。
うずうずしながら藤田の答えを待っていると、上の空だったかのように返事が返ってきた。
「お、おう」
そして、スタスタと歩き出してしまう藤田。
いかにもわざとらしい避け方だった。
それでも私は諦めず藤田の背中をおった。「ちょ、待ってよ~なんで逃げるの?」
私…嫌われちゃったのかな…。
なんか、どう接していいのか分からない。そう思いながらも、明るい声と表情を保つ。
すると後ろを向きながら藤田は言った。
「あ。そえば、さっき原田が探してたけど」