隣の席のキミ
君は、もう Yuuto
席がえして1ヶ月が経った。
俺の席は、山城さんの隣ではなくなって、あまり関わりがもてないと思っていた…けど、時々話しかけてくれる山城さん。
俺もだんだん普通に受け答えするようになってきた。
それでも、前のように完璧じゃない。
まだ、全然違和感はあるし、緊張もしなくはない。
俺の左斜め後ろに山城さんはいる。
席は案外近い。
でも、その隣には拓也。
二人はいつも楽しそうに喋っていて、俺の入るすきなんてない。
アイツらが今付き合っているのかも分からない。
ただ、仲が良いのは絶対。
今の俺は、俺じゃない俺。
こんな情けない姿、自分自身も正直知らなかった。
今までは、普通に会話もしてたし、普通に目を合わせて笑いあうことだってあったのに、今はその真逆…。
つくづく情けない自分…。
誰か同情してやって(笑)
と言いたくなってしまうほど、今の俺は惨め。
きっと、誰が見てもそう思うだろう。
「藤田ぁ~。藤田ってば!!」
左斜め後ろから声がして、我に返った。
「…んあ!?」
カッコ悪い…俺。
「「んあ!?」じゃないよ!日本語訳、指されてる!」
あ…やば…。
今、英語の授業中だった。
「藤田くん、またあなたって人は!この前も注意されたばっかりじゃない!!」
「…すいません」
「ちゃんと反省しなさい!!授業が終わるまで廊下に正座よ!!」