隣の席のキミ



「失礼しまぁす」
案の定、先生達の目線はこちらに集まってきた。
こ、怖…。
中山先生の机方面を見ると、そこには藤田もいた。
内心驚いたけど、職員室内でむやみに声を出したくないから、そのまま中山先生の机に向かった。
「すいません、遅れました」
とは謝ったものの、実際時間厳守ではなかった。
「おせぇよ(笑)」
そこに立っていた藤田はため息混じりに言った。
「ごめ~ん…」
そして、先生が話始めたと思ったら、なにやら宿泊旅行の実行委員が作文を書くのだと言う。
もちろん、受け付けられない私。
「先生、なんで書かなきゃいけないんですかぁ!?」
すると先生は、
「それはだなぁ、お前達の頑張りで、クラスがどのようにまとまり、どのように進化しのか。また、この宿泊旅行を通してどのような大事なことを…」
先生の話はダラダラと続いた。
途中、藤田のことを見ると、藤田もこっちを向いたから、二人で苦笑いした。
「…というわけで、明日の放課後は空けておくよーに。以上だ。戻っていいぞ~」
え…!?
明日の放課後が…なんだって?
先生の話は語り出した部分から聞いてない。
ここは聞き直した方がいいのかな…と思っいたら、藤田が先に口を開いた。
< 70 / 110 >

この作品をシェア

pagetop