隣の席のキミ



「あれ、先生~明日の放課後ってどこで何するんでしたっけぇ~?」
と、先に聞いてくれた。
「バカ者~。もう忘れたかぁ」
「俺、最近ボケてんですよ~」
「ったく。明日の放課後は図書室で宿泊旅行についての作文を書くんだ!忘れんなよ~」
「作文とか、ダルい~」
うん。
私もそう思うよ藤田。
でも、先生達はみんなそんなの許してくれない。
「文句言うな!!高校生ってのは、そういうもんだ!!」
中山先生なんて、こんなくだらない上に説得力のない言葉を平気で言い張るし…。
可哀想になって私は「そうですか、分かりました…。じゃあ、その高校生ってやつをたっぷりエンジョイしますんで…」とだけ言い残し、藤田を連れて職員室を出た。
「作文とかマジめんどくね~?」
藤田は、普通に話しかけてくれた。
そのおかげで、ホットした心。
少し、避けるの止めてくれたのかな…。
本当にそうだったらいいのにな…。
「本当最悪~!」
私もいつも通り普通に受け答えする。
うん、これでいいんだ。
普通に会話ができるだけで。
両想いなんて、まだまだ先だけど。
私は今を大切にしたいから。
「でも山城作文好きそうじゃん」
え………!?
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