隣の席のキミ
「五枚はないよな~。第一俺達実行委員らしいことしてなくね…?」
「まぁね(笑)プランたてて、プリント作っただけだけど。」
「それだけだもんな~」
そうして俺達は笑いあった。
君とこんな風にしていられることが、どれだけ俺の心を癒やしていくんだろう…。
まぐれか、ユメか。
君のいろんな表情を見るたび、俺のモノになればいいとさえ思ってしまう。
笑いあっていたら、他のクラスの実行委員の一人が「うるさい、気が散るんだけど」とでも言うようにこちらを睨みつけてきた。
それに気付いた俺達はまた、苦笑いしあった。
そう、君と何かを“しあう”こと。
何よりも近づけている気がするんだ。
それからどれくらいの時間がたっただろう。
役一時間くらいで俺は二枚半、山城は三枚目に突入。
だけど、他の真面目メンバーはみんな終わってしまったらしい。
さすが…。
なんて感心していたら最後の一人が今、図書室から出て行った。
この広い空間に存在しているのは、俺と山城の二人だけ。
確か、旅行のプランを立てていた時もこんな感じだった。
夕焼けが綺麗と言う言葉だけでは表せないほどに美しかったあの日の放課後。
どこか寂しい空気に包まれて、俺達は最初で最後のキスを交わしたんだ…。