隣の席のキミ
そっか、拓也は原田と付き合ってん……は!?拓也が原田とぉ!?
「ちょ、まて。拓也って本当に原田と付き合ってんのか!?」
今までそんな話、拓也から聞かされたこともない。
俺が驚くのも当たり前だ。
「そうだよ。結構前からだけど…」
「マジかよぉ。心配して損したわぁ」
本当、心配して損した…って俺山城に何てこと!!
今の、聞いてないことにしてくれ。
バレたらマジ、ヤバい。
…けど山城は意外と敏感だったみたいで…。
「……??心配って、何を??」
俺のさっきの言葉に大きな違和感を感じたらしい。
山城はさっそく突っついてきた。
…どうすんだよ、俺…。
このまま誤魔化せばいいのか…?
でも、どうやって…?
…そうだ…
こんな時こそ、言ってしまえばいいんだ…。
そうすれば、モヤモヤしたモノが消えてなくなる。
今だから、言う。
多分俺には今しか、ない。
結果なんてどうだっていい。
ただ、言うことだけに意味がある。
山城もこんな風に思ったのかもしれないな…。
そして、俺は口を開いた。
もう、迷いはない。
口から出た声は、かなり緊張したものだった。