隣の席のキミ



なんでこんなに苦しくなるんだろ…。


そうだ…
寂しいんだ…。

藤田がいっきに遠くにいってしまったような気がして。

住んでる世界が違うような気がして。

私は、間違ってた―――――――。
藤田は今も、これからもずっと私の近くにいると思ってた。
でも、それは全く違くて…。
藤田にだって彼女はできる。
私がどうこう言っていい問題じゃないんだ。



「…花?」
「由花?」
真菜に二度呼ばれて、やっと我に返った。
不安な顔をした私をキョトンとした目で見ているもりちゃん。
…私、何友達困らせてんだろ。
バカみたい。いや、バカなんだけどね。
「あ、ごめんごめん!しけるよね!!」
私は慌てて笑顔をつくる。

でも、そんなの友達には通じない。

「…由花…もしかして藤田のこと好きだった!?……っ本当ごめんねー!!』
私に謝るもりちゃん。
「何謝ってんの、もりちゃん!私が悪いの!」
「だって、好きな人が彼女いるって聞いたら辛いじゃん!!」
「…でも、大丈夫だよ!藤田は、彼女いて嬉しい訳だし!!私には関係ないもん」


「「…」」


私の言葉に二人とも何も答えなかった。
でも、顔に書いてある。
「無理しなくていいのに」って。

やっぱり友達だから分かっちゃうんだね…。

でも、
私には、関係ない…。
藤田は藤田で、私は私。


「早く体育行こ!?」
「…ん!!そだね」
「この話は終わりだ!!」

あははっ
私、もっと頑張らなきゃな。
あんなことで、ショック受けてたら何も始まらない。
でも…私は、藤田を好きでいていいのか、よく分かんないよ…

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