隣の席のキミ
『授業あと30分もあるよ~。ガンバ!』
うぇー…
あと30分ももたねえよ、俺の腹と眠気。
心の中で悲鳴を上げる俺。
毎日のように朝食を食べて来ないうえに夜は夜更かししているからだいたいいつも朝くらいからこんな状態が続く。
『無理~。俺もう限界~』
そう書いて丸めた紙を先生の目を見計らって山城にパス。
一瞬窓から外を眺めたら、ふと、あることが思い浮かんだ。
また回ってきた紙。
『我慢だよ(笑)』
よし、今だ。
文章を確認して、返事を書かずに丸めた紙を、素早く山城の机に投げる。
そしてその紙は、だいぶずれた方向にに投げられ、教科書の英文を読みながら歩いていた島田先生の頭に的中。
案の定、顔色がザッと変わる島田先生。
「ふ、藤田くん!?何をしているんです!?今あなたが投げた物はいったいなんですか!?私の頭に…」
「先生ぇ」
俺はわざと先生の説教という長々しいものを遮った。
そしてこう続ける。
「今投げた紙、山城が俺に投げてきたんですよ~。でも楽しそうだったんで俺も一緒に遊んじゃったんです~」
ますます目を丸くして、先生は怒りを飛ばす。