隣の席のキミ



「な、なんですって!?山城さんまで一緒に!?」
山城は怯えながら「は…はぃ…」と小さな声で答えた。
それを聞いてこの島田ティーチャーがこんな俺達をこのままにしておくはずがない。「あなた達って人は!!!なんでそんなに落ち着きがないんですか!!!あぁ、もう!廊下に正座して反省してきなさ―――――い!!!!」
教室中にその怒りが声となって響き渡った。それを怯えた表情で恐る恐る観察するクラスメート達。
そして、山城はしぶしぶ俯いて、俺は満足感たっぷりのにんまり笑顔で廊下に歩いた。
よし!作戦大成功!!!!
廊下に出たらこっちのもんだ。
クラスメート達よ、俺のために迷惑かけてわりぃな。
あとでちゃんとおわびするから…!
俺達廊下に座ると、あとから山城もゆっくりと隣に座る。
俺らはしばらくの間、黙り込んでいた。
さて、どう話をしだそう…。
俺がそんな事を考えていたら、静かな空気は隣にいる彼女によってかき消された。
「…藤田。…さっき、私のせいでごめん…」
山城は今にも泣きそうな顔をして、一生懸命にそう呟いた。
「は…!?別にお前悪くないじゃん」
そう。山城は何も悪くない。
俺が勝手にしたことだ。
「ううん…。だって最初、紙投げたのって私だもん…。」
「いや、だから気にすん…」
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