隣の席のキミ
あぁ、この言い方、間違いなく彼氏のことだ…。
そう、夏休み中、もりちゃんには彼氏ができた。
私もその時はびっくりしたよ。
今泣いてるのは多分その“彼氏”が原因なんだと思う。
このカップル、意外とめんどくさい。
まず、その“彼氏”が…
同クラの高原光貴(たかはら こうき)っていう奴で、くだんない男子。
藤田とか前野よりも低レベルなわけ。
その男と付き合ってるもりちゃんこと、森内美歩も明るい性格はいいけど、ひょっとすると私より天然バカな女の子。
その二人がカップルなわけだから、そりゃあめんどくさいよね…(笑)
「どおしたの~?またケンカ?」
この二人がケンカするなんて、全然珍しくない。
というか、ケンカしない日はないといった方が伝わるかもです。
「だってねっ光貴ってばね~っいまだに元カノとケータイで連絡取り合ってんだよ~!!」
抱き付いて泣き叫ぶもりちゃん。
ふと斜め前を見るとその“彼氏”がいたから睨みつけてやった。
高原光貴の通称はタカ。
するとタカは怯えながら、
「ちょ、誤解だから!!!!」
と震えた手を必死に振る。
私の顔、そんなに怖かったの…?
それはそれで、軽くショック。
「タカ最低~。マジあり得ないんだけど~」