隣の席のキミ



まんまとうつってしまった真菜のセンス悪いネーミング。
もりりんって…なんか古い…。
まぁいっか…。
「こぉきのバァァカ!!」
そう言い残してもりりんはスタスタと行ってしまった。
取り残された私達は気まずい空気に包まれてひたすら無言・・・
そんな空気を初めに壊してくれたのは真菜だった。
ナイス、真菜!
「まぁ、タカだからしょうがないよ!!ドンマイ!!」
笑顔でタカを励ました真菜の顔はひきつっていた。
「俺、本当美歩一筋だから!!」
「分かってるって」
私は冷静にそう言う。
「じゃあ俺行くわ…。美歩に愛してるって言っといて~」
そう言い残しタカは去っていった。
いや、その「愛してる」っていうのがまたわざとらしいんだよなぁ…。
って思ってたけど…

「もりりん、さっき彼氏さんが愛してるだって~。わざとらしいよね~」
屋上に逃げたもりりんにそう言ってみたところ…
「本当!?光貴が!?」
「う、うん」
「やったぁ~!!超嬉しぃ~!!」
ケロッとして喜んだ。

< 95 / 110 >

この作品をシェア

pagetop