隣の席のキミ



だから、ケンカしてもすぐ仲直りしちゃうんだよなぁ…このカップル。
もりりんも単純だし、タカはバカ正直。
めんどくさいけど、こういうカップルも、私はありだと思う。
彼氏と彼女がお互いに好きでいることは、本当に幸せな事で。
簡単なようで難しい事。
屋上から校庭を眺めると、目がくらんだ。
やっぱり私、高いとこダメだぁ。
これじゃあ明日のデートで遊園地になったらジェットコースターとかのれないよぉ(泣)
そんな事を考えてもう一度校庭を眺めてみる。

……
……ん?
藤田…?
ずっと見ていると頭がクラクラするから、一度顔を上げた。
視力だけは無駄にいい私。
遠くにあるサッカー部の更衣室前で藤田らしい男子ともう一人スラッとした感じの人が見えた。
再びそこを見ると、藤田らしき人物と一緒にいるのは…髪の長い女子!?
よく、目を見開いてもう一度確認。
「や、やっぱり…」
思わず声に出していた。
それに反応して「どおしたの~?」と心配する真菜。
「いや、なんでもない~」
平気そうに答えるけど内心ヤバい。
焦りとか不安とかいろいろ混じって、もう限界―――――っ!!!
「藤田のバァ―――――――カッ!!!」
< 96 / 110 >

この作品をシェア

pagetop